ぺんぺんと一緒におぺんきょう
Study With me
しごと

丁寧に仕事をしたい理由。

仕事をして、20年。未だにあまり要領のいい方ではないが、

なぜか、チャレンジングな立場に立たされることが多い。

なぜか、抜擢されてしまう。

・・・・・・うーーん・・・。抜擢というと語弊があるかな。

つまり、経歴的にはこれくらいやってるべきでしょというのを、周りがいい加減にこいつに任せようという結果なので、全然すごくはない。

周りから見たら抜擢じゃないんだけど、私としては、いやそんな役どころ、私には役者不足ですから!!ということで、つまり自分的大抜擢。なんだそりゃ・・・・・・・

それで、心の中の私は、全力でむりだーーーーって言っているのに、

表の私は「よろこんで!!お任せください!!」と言ってしまう。

周りの人に迷惑をかけるかも知れないと全力で首を横に振っている心の中の自信のない自分もいるんだけど、それを乗り越えたらカッコいいなぁ。っていうアホなの?ってくらい前向きな私もいて、結局毎回引き受けてしまう。

こうやって、ちょっとずつ年収がだんだんと増えていることは確かだ。

年収は高いほうがいいよね。

娘が二人いるんだ。教育費もかかるし。老後のことも気になる。

でもね、家族との生活も大事だし。深夜残業が増えるのもいやなんだけどね。

多忙になれば、仕事の人間関係も増え、トラブルもある。しょっちゅう泣きたくなる、地獄みたいにつらい状況になることもある。責任は増えるし、誰かに助けてもらおうとしても、要領が悪いので、うまいこと渡せなくて結果自分の仕事が増えるし。

ただ、どんだけ忙しくても、譲れないことがある。

仕事をたくさん抱えてくると、細かい心配りを削らざるを得ない状況になることがある。

メールの一文、ちょっとした声かけ。

優しいひとことが言えなくなる。

作成する書類のわかりやすさが少しだけ雑になる。

・・・・・・でも、私はそこをどうしても端折りたくないと思っている。

7~8年くらい前に、一緒に仕事をした先輩に言われた一言が

今でも座右の銘になっている。

「思いやりをもって仕事をしろ。」

思いやり。

これって、その時まで仕事の中で聞くことがなかった。

耳に入ってなかっただけかもしれないけど。

効率化。

仕事を早く。

そういうことばかりにこだわって、自分の努力を認めてもらうことばかりきにして。

「思いやりをもって仕事をしろ。」

その日は、いつもの通り時間ギリギリにできた見積資料を持っていき、先輩にレビューを受けていた。

なんとか間に合わせて、つじつまを合わせて作成した資料。

このレビューが終れば、お客様に提示する段階に入れる。

お客様にこの辺弱いといわれないかなとか、

あいまいな部分も残っていたので、その辺りを先輩にアドバイスしてもらおうとして早口で説明していたかもしれない。

書類は間違いだらけで、都度訂正しながら話した。

今思えば、わかりにくさの極みの書類を早口で説明しても最適なアドバイスは難しいだろう。先輩かわいそう。。。

私は、思いやりを持って仕事をしていなかった。

相手が理解するまでにかかる時間は、相手の時間を奪っている。

あれからだいぶたつが、未だに満足な資料はなかなか作れない。でも、

思いやりを持って資料を作ることで、

打ち合わせが各段に楽になったことは確かだ。

資料を作っている段階で、相手のことを思って作っている。

それだけで全然違う。

今の仕事で、チームメンバーの資料のレビューをすることが多い。

そして、改めて思う。

思いやりを持って作っているかどうかは伝わってくる。

だから思いやりを持って作ろうと。改めて思う。

ちなみに、思いやりというのは、相手が最短で理解できること。

相手の時間をなるべく奪わないこと。

親切心であっても、やみくもに色んな情報を入れ込んだりするのは、逆効果。

ということも、思いやりをもって資料を作成する中で学んできた。

もちろんまだまだ改善点は沢山あるけれど。

———–

昔、お仕事をしたお客様で印象的なことがある。

その方は、私と同じくらいの年齢の女性で、高齢の男性が沢山働いている職場で事務をしていた。

PCやIT機器。下手したらコピー機までが苦手な方々の中で、PCやOA機器類の仕事を一手に引き受けている方だった。

とても多忙なかたで、

担当になってしばらくは、私の方も業務知識が少なすぎて、前任者に聞いたりすることも

多かったので、一旦待っていただくことも多くて常にイライラされていた。

私はその方がとても苦手だった。いちいち言い方がキツイし、常に忙しそうでちょっとした運用のことを聞くと、なんでそんなことも知らないですか。と怒られる。

前任者からちゃんと引継ぎがされていなかったから、もちろんこちらも悪かったんだけど。。。

私が担当になってしばらくして、現システムの刷新にかかわった。

システムの入れ替え大変だったけど、なんとか入れることができた。

その後、保守として入ることになった。

基本的なシステムの利用方法の問い合わせを受けることが多くなった。

そのあたりで私は、現地に行き、その方とよく話すようになった。

そこで初めて、その方の日々の大変さがわかった。

未だにFAXでやりとりされ、紙の管理がメイン。

それらの事務作業をこなしながら、職場は事務所なのに、別のところにある倉庫の製造管理システムの操作方法についてまで、その方に電話がかかってくる。

しかも、結構相手は急いでいて、イライラされている。

それをそばで見るうちに、今まで補助的に作っていた手順書をもっと寄り添って作ろうという気持ちになった。

手順書はその方が仕事で大変だと思っているところをヒアリングしながら作った。

いずれは、それを倉庫の人にも連携できるようにすれば、負担も減りますよね。とその方と相談して、システムを触ったことがない人でもわかるように、丁寧に手順をいれた。

当時、上長の方針としては、現地作業はあまりしないでほしい。工数がかかるから。

あと、手順書なども必要最低限でいいという方針。

最初はそれに従ってやっていたが、上司に、「その方の仕事がうまくまわるようになれば、私に問い合わせが来ることも減るから、結果的に私の仕事量も減るんですよ」っていうようなことを説明して、OKをもらい、足しげく通うようになった。

関係性はどんどん良くなった。

最初のころは、多分嫌われていたと思う。ものすごく怒られることもあったし、前任者と直接連絡が取りたいとあからさまに機嫌が悪くなられていた。

でも、最終的には娘の話をするようになって、笑い合うようにまでなった。

システムが安定したので、私は保守を離れることになった。

寂しかった。最後の日は二人でしんみり話をした。

ああいう仕事は幸せだ。

あの方のおかげで、私は、なんとなく人間関係というのは、最初誤解をされていても、私という人間を知ってもらえば、良い関係になれるのだと信じられるようになった。

根拠のない自信というのは、こういうことの積み重ねなのかもしれない。

信頼というのは、他人に対してというのが普通かと思うけど、自分自身に対する信頼も大事。

それをくれたあの仕事には感謝している。

ちなみに、私は大体最初にすっごく嫌われる。そして、最終的には仲良くなる。

ちょっとした関わりだけであれば大丈夫なんだけど、要領が悪すぎてイライラされてしまう。真剣に忘れないようにしているのに、ここぞというところが抜けてしまって、

いい加減な人だと思われてしまったりする。

でも、いずれわかってもらえる。

ただ、時間は必要。それまでは結構きつい。でも、自分を信じられるようになってからは耐えられる。

そして、要領はあんまりよくならない。

だけど、どんなに時間がかかっても、今日も丁寧に資料を作る。

それが結局私を助けてくれると、私は信じている。

ABOUT ME
ぺんぺん
娘二人のママです。20年以上システム開発会社で働いてます。 システム作るのも編み物も絵を描くことも好きです。